
前橋市/製造業・卸小売業
株式会社ジェイアイエヌ
代表取締役社長 田中 仁 さん
昭和38年、前橋市生まれ。
信用金庫、雑貨メーカー勤務を経て、昭和63年に24歳で服飾雑貨製造業を起業。平成13年にメガネ事業を立ち上げた。現在、従業員数約2,000人を擁し、日本を代表するベンチャー企業の代表者として活躍中。
前橋市/卸小売業
株式会社
ハンプティーダンプティー
代表取締役社長 貫井哲夫 さん
昭和30年、玉村町生まれ。
都内の雑貨店勤務などを経て、昭和57年に27歳で店舗を開業。平成5年に株式会社化。現在、全国に直営23店、フランチャイズ9店、関連会社4社。仕事と家庭の両立支援や障がい者雇用にも積極的に取り組む。
みなかみ町/サービス業
群馬スノーアライアンス
株式会社
取締役支配人 清永治慶 さん
昭和46年、鹿児島県生まれ。
慶應義塾大学卒。マーケティング専攻。酒類メーカー勤務、飲食店とスーパーの経営に携わり、平成18年から、スキー場再生業務。数カ所のスキー場運営に関わり、平成21年6月からノルン水上スキー場にて現職。業界初の新たな取組を実行しつつ、地域観光活性化に尽力している。
スキー場がなぜ、駄目になってしまったかといえば、昔ながらの囲い込みの文化があることが原因だと思っています。スキー場さえ儲かればいい、といった考え方。その考え方が悪い方へと導いていった。残念なことに、今でもその考え方が横行しているのが現状です。
わが社の前身は平成18年に第三セクターという形で経営破綻しています。その後、一度解散して、民間に売却。そして、わが社が設立されました。私は4年前の21年、支配人に就任しました。当時のわが社も、少なからず、昔ながらの囲い込みの文化が残っていたように思います。
スキー場はもともと地域の雇用や観光を活性化するために作られてきた歴史があります。地域のハブ的な役割を果たすことができるものこそ、スキー場なのです。本来のスキー場に戻るには、囲い込みをすることを捨ててしまえばいいだけ。そして、地域と連携しながら、相互誘客を図っていくべきだと考えています。
私はスキー場を運営する上で、「ヒト+モノ+カネ」が大事だと思っています。わが社でいう「モノ」とは、自社の周りにある観光資源です。ノルン水上(以下・ノルン)は、高速道路のインターチェンジからも近く、電車での利用も可能と、もともと非常に立地条件に恵まれています。豊かな自然があるという強みもあります。また、ノルンは宿泊施設がないですが、周辺には温泉や宿泊施設がたくさんあり、おいしい食べ物もあります。これらの恵まれた資源をうまく活用するのが大事だと思いました。
「ヒト」については、当初、社員は非常に活力がありませんでした。囲い込みを続けてきた結果、「どうせやってもできない」、「何をやってもお客さんは来ない」といったネガティブ思考になっていました。ある時、社員たちにノルンの強みは何かとたずねたことがあります。返ってきたのは、ノルンを含めた地元を愛する強い気持ちでした。それを聞いたとき、ノルンが活きるには、地域自体を活かさなければいけないと、強く感じたのです。そして、経営革新計画を作成しました。
現在、「ヒト+モノ+カネ」がうまく回転しています。何より大きいのは、ヒトです。囲い込みをやめたことで、地域の人々がノルンを応援してくれるようになりました。社員だけでなく、地域の人も加わったわけです。ノルンが地域の人々からリスペクトされるようになると、社員の働く意欲は倍増しました。社員はもともと、ノルンが大好きで仕方のない人たちですから、地域の人から愛されるスキー場になれたことはうれしかったのでしょう。
これからも、「ノルン」としてではなく、「みなかみにあるノルン」として、地域と連携しながらやっていきたいと思っています。